橋梁や工場、プラント、沿岸部の施設――過酷な環境下で使用される構造物にとって、防錆対策は欠かせないテーマです。錆による劣化は、見た目だけでなく安全性や耐久性にも直結する重大なリスク。そうした中、「長期間の防錆性」や「高耐候性」を備えた塗料として注目されているのが、シリコーン塗料です。
本記事では、シリコーン塗料がなぜ防錆対策に適しているのか、その構造や性能、一般塗料との違い、選定ポイントについて解説します。さらに、10年以上の耐久性を誇る高機能シリコーン塗料「バッファーコート」を展開する専門メーカークラタテクノ(株式会社クラタ・テクノシステム)の事例も紹介。インフラ長寿命化を実現するための“塗料選び”の視点をお伝えします。
≪目次≫
・シリコーン塗料とは?【基本定義と特徴】
・なぜ「防錆塗料」として注目されているのか?
・クラタテクノの「バッファーコート」とは?
・他の防錆塗料と何が違う?性能比較と選定ポイント
・導入事例に学ぶ「失敗しない塗料選び」
・まとめ
■シリコーン塗料とは?【基本定義と特徴】

-シリコーン塗料の定義と用途
シリコーン塗料とは、主成分にシリコーン樹脂(ポリシロキサン)を使用した高機能塗料です。一般的には、外壁・屋根・鉄骨構造物・プラント配管・橋梁・タンクなど、屋外で長期的に使用される構造物の表面保護に利用されています。
特に、紫外線・風雨・塩害・高温などの厳しい環境にさらされる部材に対して、他の塗料よりも優れた耐久性を発揮することから、近年では官公庁案件やインフラ分野でも広く導入されています。
-成分構造と塗膜性能(シロキサン結合の強さ)
シリコーン塗料の最大の特徴は、「シロキサン結合(Si-O-Si)」という化学構造にあります。これは、炭素結合に比べて非常に安定しており、紫外線による分解や酸化に強く、長期間塗膜の劣化が起きにくい性質を持ちます。
このため、屋外環境でも変色・ひび割れ・剥がれが起きにくく、メンテナンス周期を大幅に延長できるのが特長です。さらに、近年では水性・無溶剤タイプの製品も登場しており、環境対応型塗料としても注目されています。
-一般塗料(アクリル・ウレタン・エポキシ)との違い

特に、屋外暴露条件にさらされるインフラや重防食用途では、シリコーン塗料が最適解となるケースが多く、公共案件(国交省NETIS登録技術など)でも採用が増えています。
■なぜ「防錆塗料」として注目されているのか?

-塗膜が錆を防ぐ仕組みと耐候性の重要性
金属が錆びる主な原因は、酸素・水分・塩分の侵入です。これらの外部因子が鉄部と反応することで酸化が進み、腐食が発生します。
シリコーン塗料は、極めて密着性が高く撥水性の強い塗膜を形成することで、これらの劣化因子の侵入を遮断。さらに、紫外線や熱にも強いため、塗膜自体の分解が少なく、長期間にわたり防錆性能を維持できます。
特に、沿岸部や工場の屋外設備のような厳しい条件下では、この「長期耐候性」が構造物の健全性を守る鍵となります。
-防錆塗料としての実績と長寿命化への寄与
多くのシリコーン塗料は、10年〜15年の耐用年数を持ち、塗り替え周期を従来の塗料より大きく延ばすことが可能です。これにより、定期メンテナンスの回数が減り、ライフサイクルコスト(LCC)の削減に大きく貢献します。
たとえば、従来のウレタン塗料では6〜8年ごとの再塗装が必要だった橋梁や工場設備が、シリコーン塗料によって10年以上の塗膜性能を維持できれば、管理者のコストや手間を大きく減らせます。
-クラタテクノ製品が防錆分野で選ばれる理由
株式会社クラタ・テクノシステムが展開する「バッファーコート」シリーズは、100%シリコーン樹脂塗料にこだわった高性能製品であり、金属・コンクリートの両方に強力に密着する弾性塗膜を形成します。
錆の発生要因である水分・酸素・塩分を長期遮断
**無溶剤タイプ(NS型)**は安全性と環境性能にも配慮
NEXCO案件や公共施設、沿岸部プラントなど多数の導入実績
防錆・防水・施工性の3点を高次元で両立し、10年保証の信頼性
また、橋梁の仮設構造物を恒久化した事例や、塩害地での防食再塗装、寒冷地での鋼構造の再利用など、高耐久性と現場適応力が評価され、多様な防錆ニーズに応えています。
■クラタテクノの「バッファーコート」とは?

-製品概要|100%シリコーン樹脂の高機能塗料
「バッファーコート」は、株式会社クラタ・テクノシステム(東京都練馬区)が開発・製造する100%シリコーン樹脂塗料です。鉄やコンクリートといった異種素材の複合構造にも強力に密着し、防錆・防水・防食の3つの機能を1層で実現します。
ラインナップには、以下のような型式があります。
バッファーコート10型/30型/50型/85型(用途に応じた粘度設計)
NS型(無溶剤):VOC対策・安全性に配慮した現場施工向け
いずれも10年以上の耐候性と弾性を保証
塗膜は高伸縮性(約350~400%)を持ち、構造体の動きやひび割れに追従しやすく、塗膜剥離やクラックの進行を抑える特性を有しています。
-NETIS登録技術としての信頼性
クラタテクノのバッファーコートは、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録済の製品です。
NETIS登録番号:KT-220094-A
登録技術分類:シリコーン樹脂系防水・防錆塗料
主な採用領域:橋梁、仮設構造物、鉄骨、沿岸部プラント、鋼製基礎、床版 など
NETIS登録により、公共工事における技術活用評価の対象となり、官公庁・自治体案件でも採用されやすい信頼性の高い製品となっています。
-主な採用事例と導入メリット
以下は、実際にバッファーコートが使用された現場の一例です。

これらの現場では、長期耐久・施工性の高さ・VOC非含有(NS型)による安全性が評価されており、特にメンテナンスコスト削減や施工負荷の軽減に貢献しています。
-選ばれる理由|技術力と開発姿勢
クラタテクノは、創業以来20年以上にわたり「インフラ長寿命化のための特殊塗料」を専門に開発してきた企業です。製品の多くは産学連携(東北大学・日本大学・東京理科大学など)により性能検証され、NETIS登録や商標登録、特許取得といった技術的裏付けを持ちます。
さらに、
小規模体制ながら技術開発と営業の連携が密
現場の声を反映した製品改良を常時実施
無溶剤化・水性化など環境配慮型製品の強化
といった姿勢により、大手にはないスピードと現場適応力が強みです。
≫≫クラタテクノの「バッファーコート」について更に知りたい方はコチラから
https://www.kurata-techno.com/product/buffercoat/
■他の防錆塗料と何が違う?性能比較と選定ポイント

-防錆塗料の種類と機能比較
防錆塗料にはさまざまな種類がありますが、それぞれ特性や用途が異なります。以下は主な塗料種別との比較表です。

※出典:各製品の技術データシート、国土交通省NETIS登録技術情報、クラタテクノ公式資料
シリコーン塗料は、1層施工でも高い耐久性と多機能性を発揮する「オールインワン型」の高機能塗料として位置づけられます。
-選定の際に重視すべきポイント
塗料を選ぶ際には、「価格」や「見た目」だけでなく、以下のような観点を複合的に考慮する必要があります。
✅ 使用環境
沿岸地域・寒冷地・高温エリアなど、環境条件に適応できる塗膜性能があるか。
紫外線量が多い場所や酸性雨の多い地域では耐候性重視。
✅ 塗装対象と構造
鋼材だけでなくコンクリートや木材との接合部にも一体施工ができるか。
振動や動きのある構造物では柔軟性の高い塗膜が必要。
✅ メンテナンス周期
耐用年数が短いと、塗り直し回数が多くなりトータルコストが増大。
10年以上維持できる製品を選ぶと、足場・人件費の節約にも寄与。
✅ 安全性・環境配慮
現場周辺や作業員に配慮し、VOC(揮発性有機化合物)フリーや無溶剤製品が好ましい。
住民が近い場所や学校・病院などの近接工事では必須の条件に。
-クラタテクノ製品を選ぶ技術者・発注者の声
クラタテクノの「バッファーコート」は、以下のような理由で選ばれています。
「1層で金属もコンクリもカバーできるのがありがたい」(インフラ補修業者)
「10年持つ塗料でようやく維持計画が立てやすくなった」(自治体職員)
「施工の自由度が高く、複雑な部位も漏れなく塗れる」(プラントメンテ企業)
「無溶剤タイプは作業員への負担が少なく、安全対策にもなる」(建設業・元請)
■導入事例に学ぶ「失敗しない塗料選び」

防錆塗料は、単に「高性能」なだけでなく、現場の状況や用途に合っているかどうかが選定の成否を分けます。ここでは、クラタテクノの「バッファーコート」シリーズが実際に採用された事例を通じて、塗料選びのポイントを読み解きます。
-福島県|仮設橋梁の恒久化に対応する高耐久塗膜
施工対象:郡山市 赤目立2号橋(令和元年東日本台風の災害復旧橋梁)
課題:仮設橋梁として設置されたものの、予算や工期の制約から長期使用が必要に
採用理由:
上塗り1層で施工でき、工期を短縮
橋梁特有の伸縮や動きに追随する高弾性塗膜
暴露環境に強く、長期的な耐候・防錆効果
✅ 「仮設だけど長く使いたい」現場において、下地処理を最小限に抑えて耐久性を確保できる点が評価されました。
-沖縄県|塩害地域のプラント基礎で金属とコンクリートの接合部を一体保護
施工対象:沿岸地域の産業プラント基礎(鉄骨×RC構造)
課題:接合部からの錆の進行と劣化が早く、毎年のように補修が必要
採用理由:
鉄・コンクリの両方に強力に密着
無溶剤型(NS型)により作業環境への配慮が可能
厚膜1層施工でコストを抑えながら性能を確保
✅ 異種素材の境界部に起きやすい腐食を一体塗膜で防ぐアプローチは、同製品の大きな特長です。
-北海道|寒冷地の水管橋で塗替え周期を延長
施工対象:1982年架設の水管橋(鋼材部の再塗装)
課題:-20℃にもなる寒冷地域での施工と、既存塗膜の活用
採用理由:
既設塗膜の上から施工可能で旧塗膜撤去の負担を軽減
柔軟性が高く、振動や膨張にも対応
低温下でも安定した硬化性能
✅ 「塗り替え時期を5年以上延ばせた」との報告もあり、寒冷地のライフライン維持に貢献しています。
-大分県|橋脚コンクリートのASR劣化対策
施工対象:由布市 内山橋(コンクリート橋脚)
課題:ASR(アルカリ骨材反応)による微細クラックと中性化の進行
採用理由:
シリコーン含浸材「ディープインシラン」を併用し、内部からの劣化抑制
塗膜による撥水性と透湿性で構造体の“呼吸”を妨げない
表面変化を最小限に抑え、景観を維持
✅ 「見た目を大きく変えずに、劣化進行を止める」という公共インフラ特有のニーズにマッチしました。
これらの事例から見えてくるのは、バッファーコートが幅広い用途・環境に対応可能であるという汎用性と応用力です。「どの防錆塗料を選ぶか」ではなく、「現場の条件に応じてどこまで効果を最大化できるか」が重要です。
■まとめ|10年先を見据えた塗料選びにはシリコーンが有力

構造物の寿命を左右する「塗料選び」において、短期的な価格や施工のしやすさだけでなく、長期視点での保護性能・維持管理コストの削減・安全性の確保といった観点がますます重要になっています。
その中で、シリコーン塗料は次のような理由から「次世代の防錆塗料」として注目されています。
・紫外線や塩害、雨水、温度差といったあらゆる劣化因子に強く、10年以上の耐用年数を誇る
・鋼構造・コンクリートの双方に対応し、1層でも高性能な防食塗膜を形成
・VOCフリーや水系タイプの製品も登場し、環境対応・作業者安全にも配慮
結果として、塗り替え周期の延長 → LCC(ライフサイクルコスト)の大幅削減に貢献
なかでも、クラタテクノの「バッファーコート」シリーズは、20年以上の研究開発と現場実績に裏打ちされた製品であり、NETIS登録技術としての公的な信頼性も兼ね備えています。
✅ 導入を検討中の方へ
クラタテクノでは、「製品性能比較表」や「技術資料」「導入事例集」など、実際の選定・採用時に役立つ資料を無料で提供しています。用途に応じた製品選定や現場への適合性など、専門スタッフによる技術相談も可能です。
▶ 結論
10年後の構造物を守るか、数年ごとの補修を繰り返すか。
その分岐点に立っている今、選ばれるべきは長寿命×高信頼×環境配慮を備えた「シリコーン塗料」であり、クラタテクノの製品はその有力候補の一つです。

